アントニオ・カルロス・ジョビン「アントニオ・ブラジレイロ」
                                                                  2004/8/6 投稿

「ボサノヴァの神様」と形容される彼ですが、そんな気取ったところはなく、ただただ音楽が好きで、彼から発せられるメッセージは常にエコロジーと家族愛を意識したもの。
特にこの作品に於いては、７曲目『フォーエヴァー・グリーン』に彼の思いが凝縮されていると言っても過言ではないと思います。

♪　光を照らせ　鳥よ歌え　
　　森よいつまでも青々と
　　青い小さな惑星は
　　やさしい手当てが必要です♪

このフレーズが、当時まだ幼かった娘ルイーザの可愛らしい歌声とジョビンの穏やかな歌声が重なる時、彼が一貫して貫いてきた自然讃歌と家族愛が感じられ、心温まる思いがします。

ラストの『トレン・ヂ・フェーホ』はブラジルの大地を走る蒸気機関車の様子を描いた彼の遊び心感じる作品。
しかし、エンディングで終着駅で停車した蒸気機関車の音がジョビン自身の最期を表わしているような、切ない気持ちでこのアルバムは幕を閉じます。

「癒し」や「和み」が求められる今の時代、彼の涼やかなピアノの音と温かい歌声に触れてみませんか。
ホッと一息つけるひとときを過ごせるはずです。

彼の作品はタワーレコード鈴鹿店、ワールドミュージックのコーナーに置いてあります。
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アントニオ・カルロス・ジョビン参考サイト